歯科医師・博士(感染制御学)

感染制御学の博士号を持つ歯科医師です。新型コロナウイルスを含む、感染対策について発信するブログです。

ダウン症候群では COVID-19 による入院リスクが 5 倍、死亡リスクが 10 倍であった

イギリスで行われた約800万人を対象としたコホート研究により、ダウン症候群とCOVID-19との関係が調査されました。

www.acpjournals.org

論文内容

primary outcomeはCOVID-19関連死、secondary outcomeはCOVID-19関連入院。

 

年齢や性別、人種、居住環境、心疾患の有無を調整した後のダウン症候群患者における COVID-19 関連死の HR は 10.39(95% CI: 7.08-15.23)であった。

ダウン症候群以外の学習障害患者における COVID-19 関連死の HR は 1.27(95% CI: 1.16-1.40)。

施設入居者における COVID-19 関連死の HR は 3.85(95% CI: 3.62-4.10)

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また、ダウン症候群患者における COVID-19 関連入院の HR は 4.94(95% CI: 3.63-6.73)であった。

 

limitationとしては、前向き研究ではないので因果関係を示したわけではない、という当たり前の指摘と、調整因子を全て網羅しているわけではない、というこれも当たり前のもの。

論文に書いてないものとしては、これはイギリスの調査なので、この結果を日本にそのまま適応できるかどうか、という点。

 

(論文では他にも、基礎疾患ごとの死亡リスクが記載されており、こちらも興味深い内容でした。)

 

まとめ

追加の調査・研究はもちろん必要だが、この驚くべき結果が誤差だと考えたり、日本のダウン症候群患者には当てはまらないと考えるほうがナンセンスであろう。

日本においてもハイリスクな患者群への重点的な政策立案、感染対策の強化が望まれる。

また、こうしたハイリスク患者への歯科医療を提供している歯科医院への支援も必要であろう。(アピールポイントだと思いますよ〜)