2月1日に Journal of Clinical Periodontology から 「Association between periodontitis and severity of COVID-19 infection: a case-control study」と題した論文がカタールの研究チームから発表されました。
Association between periodontitis and severity of COVID-19 infection: a case-control study
直訳すれば「歯周病*1と COVID-19 の重症度との関連:症例対照研究」といったところでしょうか。
これまで COVID-19 と歯周病における疫学研究は(私の知る限り)存在しませんでした。
どのような内容なのかさっそく見てみましょう。
Introduction(緒言)
COVID-19
・COVID-19 のほとんどが軽症であるが、約 14% が入院と酸素投与が必要になり、約 5% が ICU に入院し、約 2% が死亡する。
・COVID-19 の重症例では過剰な炎症性サイトカインが認められる。IL-6 や CRP、D-ダイマー、フェリチンの上昇が認められる。
・COVID-19 の重症度は基礎疾患(高血圧、糖尿病、心疾患)や高齢、肥満と関連しているが、十分には解明されていない。
歯周病
・歯周病は、糖尿病や心疾患等の非感染性疾患(NCD)との関連が認められている。
・歯周病は、喫煙、ストレス、不摂生、血糖値、遺伝要因、社会経済要因など、他のNCDとリスク因子が共通している。
・慢性の歯周病は全身の炎症を引き起こし、血清レベルにおけるTNF-α、IL-1β、IL-4、IL-6、IL-10、CRP、フェリチンの上昇をもたらす。
・歯周病治療は2型糖尿病の改善につながることを示す証拠がある。
COVID-19と歯周病
歯周病とCOVID-19は多くの疾患と共通して関連があるにもかかわらず、両者の関連を示す証拠はこれまで存在していなかった。
歯周病とCOVID-19がどの程度関連しているか推定することが、本研究の目的である。
小括
これまで「歯周病とCOVID-19の関連があるかもしれない」という仮説の提唱はなされていましたが、疫学的な根拠はありませんでした。
NCD ⇄ 歯周病等の関連
NCD ⇄ COVID-19 等の関連
それぞれ独立して根拠は示されていましたので、A⇄B かつ A⇄C だから B⇄C というアナロジー(類推)が展開されていました。
さすがにこれまで「歯周病治療をすると COVID-19 の重症化を予防できる」という主張をしていた方はいないと思いますが、初の疫学研究と言える本論文で、どの程度関連が示されたのか、読み進めてみましょう。
Methods(方法)
研究対象
・データベース研究。データは国立ハマド総合病院の電子カルテから抽出。
・対象期間は 2020 年 2 月 27 日〜 7 月 31 日入院分、観察期間は 8 月 31 日まで。
・国立ハマド総合病院は歯科医療を含む医療をカタール全土に展開している。14 の病院を持ち、病床数の 85% を占める。
・選択基準は PCR 検査が 2 回陽性で COVID-19 と診断された、過去 1 年間に少なくとも 1 回の歯科受診とエックス線撮影の記録が残っている 18 歳以上の成人。
研究デザイン
・対象患者:COVID-19 による死亡例、ICU への入院例、人工呼吸器を必要とした症例
・対照群:COVID-19 に罹患したが合併症がなく退院した症例
・変数:歯周病
・交絡因子:人口統計学的属性(年齢、性別)、基礎疾患
歯周病の評価方法
・電子カルテに残っている臼歯部の咬翼法で撮影されたデンタルエックス線写真、またはパノラマエックス線写真を用いた。
・セメントエナメル境と歯根の全長を参考にして歯間部の骨欠損状態を分類した。
・分類は以下の通り。
健康・初期(stage 0〜1):咬翼法では 2mm 以下、パノラマで歯根 1/3 までの骨欠損
歯周病(stage 2〜4):咬翼法では 2mm 以上、パノラマで歯根 1/3 以上の骨欠損
・2 本以上の連続していない隣接歯に認められた場合に歯周炎と定義した。
交絡因子について
・性別、年齢、BMI、喫煙歴、基礎疾患の情報は電子カルテから抽出。
・D-ダイマー、CRP、HbA1c、ビタミンD、白血球数、リンパ球数も電子カルテから抽出。
・基礎疾患は ICD-10 のコードが付与されているものを抽出(それぞれの重症度は関係なし)。
・BMIは、太り過ぎ/肥満(BMI≧25)と適正/やせすぎ(BMI≦25)の2値変数。
・喫煙は、現在/過去喫煙歴ありとなしの 2 値変数。
・その他の慢性疾患はそれぞれの有無を計算して「comorbidity」という変数を設定、0〜7 の値を付与、さらに 0、1、2 以上にカテゴライズした(順序変数)。
サンプルサイズとデータ分析について
・ロジスティック回帰分析で検出力 80% を達成するためのサンプルサイズは、最小 4 つの予測因子、expected R は 0.3(効果量(r)のことか?)、有意水準 α=0.05 とした場合、 n=320 であった。
気になるポイント
⑴ カタールの医療体制
カタールの医療体制について見てみましょう。
「外務省HP 世界の医療情報」より
最新の設備を有する国立ハマド総合病院がありますが、賃金の安い国からの医師・看護師の雇用が多いため、医療水準には若干の問題が残っており、重篤な疾患では欧州先進国での加療が望ましいです。
一般的疾患で受診する必要があれば、最新の設備と医療水準が期待できる私立病院の方が快適で安心だと思われます。
ただ、転落事故・交通事故など警察の介入がある外傷の場合は国立病院で診断をうけてから、医療機関を選択するシステムになっています。
また、重度外傷、狭心症・心筋梗塞、脳血管障害など重篤な疾患は国立病院で治療されます。
本研究の場は、国立ハマド総合病院でした。残念ながら、医療水準は高くはないようです。
よって、国立ハマド総合病院に入院した COVID-19 患者の死亡率は日本よりも高い可能性があります。
本研究で得られた COVID-19 の死亡と歯周病との関連に関する結果はカタールの医療体制を反映したものであり、日本に適用する場合はそこを割り引いて考える必要があります。
(重症化率は...この時期にデキサメタゾンがルーチンで使われていたのか分からないので、ちょっと何とも言えません。)
なお、国民の医療費は無料だそうです。(プライベートクリニックはどうでしょうか?)
⑵ 歯周病の評価
エックス線所見における骨欠損を評価基準としています。
したがって COVID-19 療養中にアクティブな炎症があったかどうかは不明。歯周病の既往かもしれません。
エックス線所見だけで歯周炎の重症度を分類(診断ではなく)する、という研究デザインが妥当であるかどうか、は歯周病の専門の先生にお尋ねしたいところ。
ただこれはデータベース研究の限界なのかもしれません*2。
例えば歯周検査の結果は電カルでなく紙で管理していた、あるいは電カルとは別のシステムで管理していた、などの制限があり、CAL や PD、または CPI などの評価情報が得られなかったため、止むを得ずエックス線所見を用いたのかもしれません。
とにかく、筆者らが採用したこの分類方法で、個々の患者の歯周病の実態を把握できている!と、全幅の信頼を持つわけにはいかないことは確かです。
⑶ 交絡因子について
糖尿病、肥満、喫煙以外の基礎疾患はひとまとめに変数化されている。
それぞれ独立して解析すると必要症例数が増えるため、こうしたのだと思いますが...。
この変数が妥当であるかどうか、疑問が残ります。
⑷ 対象患者
歯科の受診歴があり、かつエックス線検査を含むカルテ情報があることが選択基準となっています。ここで言う受診歴は、国立ハマド総合病院の受診歴です。
前述の通り、国立ハマド総合病院の医療水準は高くないため、普段の歯科治療はプライベートクリニックに通院している可能性も考えられます。この場合、カルテ情報がないのは当然です。
通常、歯科の受診歴がある人だけを抽出すると、患者群の歯周病の有病率は下がるはずですが、カタールの場合はそうではないかもしれません*3。
同様に、他の基礎疾患についても普段から国立病院に通院しているのか、プライベートクリニックに通院しているのか、によって抽出漏れがあるかもしれません。
国立ハマド総合病院の電子カルテに歯科情報と基礎疾患の情報が両方存在する患者、すなわち本研究の対象者の多くは貧困層なのではないでしょうか?
したがって本研究の標本が母集団を反映しているか、という点には疑問が残ります。
カタールの医療情勢に詳しい方がいらっしゃいましたらご教授ください。
Results(結果)
・COVID-19 に罹患し、歯科のカルテ情報が存在した 568 人が分析対象となった。
・40 人が合併症あり、528 人が合併症なし。
・258 人が歯周病あり、310 人が歯周病なし。
・歯周病がある COVID-19 患者において...(Table 3)
重症化 aOR = 3.67 [1.46 - 9.27]
死亡 aOR = 8.81 [1.00 - 77.7]
ICU入院 aOR = 3.54 [1.39 - 9.05]
人工呼吸器 aOR = 4.57 [1.19 - 17.4]
上記の調整後オッズ比が得られています。
この結果から言えることは、
「COVID-19 に感染してカタール国立ハマド総合病院に入院した患者のうち、エックス線による評価で歯間部の骨欠損が2歯以上に認められたカタール在住の18歳以上の成人は、そうでないカタール在住の18歳以上の成人と比較したときの重症化のオッズが 3.67 (信頼区間は 1.46 - 9.27)であった」です(死亡、ICU入院、人工呼吸も同じような表現になります)。
決して「歯周病だと 3.67 倍コロナが重症化しやすい*4」ではありません。
気になるポイント
⑴ 死亡率と重症化率
Introduction にもあった通り、COVID-19 の死亡率は約 2% 、重症化率は約 14% ですが、本研究の対象となった COVID-19 患者群の死亡率は 14 / 568 = 2.5% 、重症化率は 40 / 568 = 7.0%です。
重症化率の低さが目立ちます。誤差と言える範囲でしょうか...?
合併症なしの 528 人の中にはかなりの数の偽陽性者がいたのであれば、重症化率・死亡率ともに過小評価されていたことになります。
仮に歯周病群と非歯周病群ともに同率で合併症なし群が減少した場合、オッズ比に与える影響は軽微ですが、パワー(検出力)が不足して信頼区間が大きくなります。
では実際に偽陽性者が多数いたのか、検証してみたいと思います。
⑵ 偽陽性の可能性
ちなみに人口100万人あたりの感染者数 / 死者数(死亡率)は、本研究の調査最終日である2020年8月31日時点で、日本:540.8 人 / 10.3 人(1.90%)、カタール:41227.2 人 / 68.4 人(0.165%)でした。
Introduction にもあった通り、COVID-19 の死亡率は約 2% とされています。
カタールの死亡率は不自然に低いですね。
ここで、感染者数の中に大量の偽陽性者がいるのではないか?と考えられます。
偽陽性は有病率が低い集団に検査をした場合に多く出ます。
例えば、感度 70%、特異度 99.9% の検査の場合、有病率 1% であれば陽性的中率は 87.6% ですが、有病率 0.1% であれば陽性的中率は41.7% と下がります。
詳しくはこちら↓
実際にカタールでどのような検査体制が敷かれているのかは分かりませんが、以下の記事では検査体制を拡充している様子が見て取れます。
カタール、高い感染率 中東初のサッカーW杯に懸念 - 産経ニュース
カタールは MERS を経験しているので、国内の PCR 検査体制が充実していたのかもしれません。そこで PCR 検査を大量に実施し、大量の偽陽性を出していたのでしょうか?
⑶ PCR 検査が 2 回陽性だった患者が研究対象である理由
本研究の対象となった COVID-19 患者は PCR 検査で 2 回陽性となった患者です。
2 回検査をするとどうなるか、考えてみます。
COVID-19 の有病率が 0.1% のカタール国民 1,000,000 人を対象に、感度 70%、特異度 99.9% のPCR検査を行ったと仮定します。
1 回目の PCR 検査では、1,699 人の検査陽性者が確認されますが、そのうちの 700 人が真の陽性者、残りの 999 人は偽陽性者です。陽性的中率は 41.7% です。
そこで 1 回目の検査で陽性であった 1,699 人にもう一度検査をします。ここでの有病率は 41.7% です。すると、真陽性者は 496 人、偽陽性者が 1 人、偽陰性者が 212.5 人、真陰性者が 989.5 人となります。
2 回の検査を合計すると、真陽性者は 496 人、偽陽性者が 1 人、偽陰性者が 512.5 人、真陰性者が 998990.5 人となりました。
よって、本研究の対象者に偽陽性者が含まれている可能性は低いことが予想されます。
逆に偽陰性者が 512.5 人も出てしまい、人々にかりそめの安心を与えてしまうため、公衆衛生の観点からは無差別大量検査はふさわしくないことが分かります。
⑷ カタールの感染者と本研究の対象者
カタールの感染者数である 41227.2人/ 100 万人には偽陽性者が多く、死亡率が過小評価されている可能性がある一方、本研究の対象者 568 人は偽陽性者が少なく、死亡率はおおよそ信頼できる数字であることが分かりました。
「 2 回検査陽性」は公衆衛生的にはマズい方法ですが、本研究においてはパワー不足を回避する役割を担っていると言えそうです。
その一方、重症化率が低い(7%)ことの疑問が依然として残ります。
Discussion, 特に Limitation(限界)
本研究の限界として筆者らは2点挙げていました。
・因果関係には言及していない。
・歯周病の診断精度に限界がある。
因果関係
ケースコントロールスタディ(症例対照研究)なので当然ですね。
繰り返しになりますが、本研究の結果をもってして、
「歯周病だとコロナになったときに ICU 入院するリスクが 3.54 倍になる」
とは言ってはいけません。
歯周病の診断精度
まさにここが本研究の最大のウィークポイントだと思います。
私個人的には、データベース研究という特性上やむを得ない、と理解しています。
これは、論文を解釈する読み手のリテラシーが問われる、ということでいいんじゃないでしょうか?
個人的な疑問なのですが、大規模疫学調査に適用できる歯周病の評価方法(簡便、安価、ほどよい感度と特異度、侵襲度が低い)って何かあるんでしょうか?
ご存知の方いらっしゃいましたらご教授いただければ幸いです。
論文に書いていない Limitation
・カタールの医療体制、特に国立病院の医療水準が高くないこと
・複数の基礎疾患(交絡因子)を十把一絡げにまとめて変数化していることの妥当性
・研究対象者の属性(貧困層中心か?)
・カタールの COVID-19 有病率が高いので、本研究のオッズ比はリスク比とは近似しないと考えられる(リスクが増える、○倍になる、という表現はダメ)
まとめ
多くの限界、疑問点があるなかで、COVID-19 と歯周病の関係に関する初の疫学研究を発表してくれた筆者らには、敬意を表し、大いに感謝申し上げたいと思います。
ただ、いくつかの限界や疑問点が解消されたとき、信頼区間が広く、1に近いところに下限値がありますので、結果がひっくり返って有意差なし*5、となることも十分ありえると思います。
私の結論はこんな感じです。
「COVID-19 に感染して医療水準が日本より低いと考えられるカタール国立ハマド総合病院に入院した患者のうち、歯周病の状態を正しく評価しているとは思えないけど研究デザイン上やむを得ない方法であるエックス線による評価で歯間部の骨欠損が2歯以上に認められたカタール在住の18歳以上の(おそらく貧困層の)成人は、そうでないカタール在住の18歳以上の(おそらく貧困層の)成人と比較したときの重症化のオッズが 3.67 (信頼区間は 1.46 - 9.27)であったけど、うーん、正直まだ何とも言えないよねぇ、関係はあっても不思議じゃないんだけどねぇ。*6」
3回目ですが、この結果をもってして、
「歯周病だとコロナになると 8.81倍 死亡しやすい」
「歯周病だとコロナの死亡リスクが 8.81 倍になる」
とは決して言ってはいけません。
また、すでにコロナ対策に疲弊している国民(患者)に対して「可能性がある」という一点で「歯磨きを頑張りましょう」などの声かけはしないほうがいいと思っています。
すでに効果が分かっている対策、すでに効果がはっきりしている対策、3密回避、5つの場面回避、換気、手洗い、マスクを徹底するよう呼びかけましょう。
これらに匹敵する効果があるのなら言ってもいいと思いますが、それはまだ示されていませんから。
もし今後、歯周病が COVID-19 の重症化リスク因子、死亡リスク因子であることが明らかになった場合、または強く疑われることになった場合、我々歯科医療従事者は堂々と、COVID-19 患者のもとに赴き、歯周治療や口腔ケアを提供できるようになりますね。
そうなったときに慌てないよう、今から準備をしておきましょう。
ご質問やご相談はこちらからお願いします ↓
おまけ
たぶん今後、「言ってはいけない」ワードを見出しにした報道が出てくるんじゃないかと思います。
今からすでに憂鬱です。どうにかならんもんですかねぇ。
疑問(というか分からないところ...)
A priori sample size calculation for logistic regression was used to determine the target sample size. For a minimum of 4 predictors, an expected R of 0.3, and a significance level set at α=0.05, a minimum sample size of n=320 was determined to be needed to achieve an 80% power.
Methods にサンプルサイズの計算方法が示されています。
この expected R は効果量のことでしょうか?
この通り、ロジスティック回帰分析のサンプルサイズを計算すると...
Free A-priori Sample Size Calculator for Multiple Regression - Free Statistics Calculators
45 になるんですよね...。
Predictor が 4 なら 4 × 10 = 40 < 45 なので足りていますが、交絡因子はそれ以上ありますね...。
まぁそういう前提で読み手が解釈すれば良い、という編集長の判断なのでしょうか?
うーん、分かりません。
お詳しい方いらっしゃいましたらご教授いただければ幸いです。
*1:この論文における ”periodontitis” が、研究デザインの観点から歯周炎を指すと言えるのか疑問だったので歯周病と表記することにしました。
*2:日本で同じことをやろうと思うとさらに高い壁にぶち当たると思われます。
NDB(≒レセプト) には歯周検査の情報はない。エックス線写真もない。P 病名が付いているから歯周病、ついていないから歯周病でない、とは言えない(言っちゃダメ)。
しかも COVID-19 の治療は公費負担だから NDB に搭載されていないかもしれない。
おそらく日本では、病院単位ならともかく、COVID-19 と歯周病の関係をデータベース研究することはできない。たぶん。知らんけど。
したがってこの論文の歯周病の評価方法に日本の歯科医師が「こんな評価方法じゃダメだろwww何だよこれwww中東の笛かよwww」みたいにケチをつけるのはちょっと違うかなぁと...。少なくとも私にはできません。
*3:ただし、仮に歯周病群が増加し、非歯周病群が減少し、重症化率や死亡率に影響がなかった場合、オッズ比に与える影響は軽微になるので、あまり考えなくてもいいかもしれませんね。
*4:これを言ってしまうと...
*5:有意差なし、は関連なし、を意味するものではありません。
*6:「ずいぶんひねくれたヤツだなぁ」と思われてしまっているかもしれませんが、論文というものは得てしてこういうもんですよね。なかなか 1 本で世界を変えるような論文はお目にかかれませんし、書くこともできません(お前が言うな)。