歯科医師・博士(感染制御学)

感染制御学の博士号を持つ歯科医師です。新型コロナウイルスを含む、感染対策について発信するブログです。

【改訂版】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)歯科医療機関内発生時チェックリスト

はじめに

7月27日にも、歯科医院で COVID-19 が発生した場合の対応チェックリストを公開いたしました(現在非公開)。

その後、種々の変更点や相談をいただいた事例で経験したことを踏まえ、本改訂版を作成いたしました。

 

歯科医院を取り巻く状況

本ブログを記述している 11 月 14 日現在、1 日あたりの検査陽性者数(マスコミでは感染者数と報道されているもので、厳密には異なる*1)が過去最大となっています。

 

4〜5 月頃よりも検査能力が拡大(3〜4 倍)しているため単純な比較は避けるべきですが、検査陽性率*2が上昇していることから考えても(下記リンク)、安心できる状況とは決して言えないでしょう。

 

また検査陽性者のうち、感染経路不明例が増えていることも気になるところです。

(注. いずれも東京都の数字を見ています)



歯科医院のスタッフや患者さんに検査陽性者が出る可能性は、これまでより高くなっていることが予想されます。

(風評被害が起こること自体がおかしいと思いますが、実態として)風評被害から歯科医院を守り、スタッフや患者さんを守るために、本チェックリストをぜひご活用ください。

 

実際の感染事例への対応をチェックリストに活かしています

ザ・クインテッセンス 10 月号に、私が対応をお手伝いした、某県歯科医院での感染事例の経過を記載した論文を投稿いたしました。

また、こちらの事例以外にも、公開はできませんが複数件のご相談を全国の歯科医院からいただいております。

後述しますが、歯科医院の初動対応があまり良くなかったために困難な状況に陥った例もありました。

それらの貴重な経験を通して得られた教訓を交え、チェックリストを更新いたしました。

 

チェックリストの目的

① ウイルスの持ち込みを出来るだけ防ぐこと

② 感染事例が発生しても感染拡大を出来るだけ防ぐこと

休診せざるを得なくなっても、スムーズに診療を再開できるようにすること

各歯科医院でそのまま活用できるものを目指しました。

 

目次

  • はじめに

  ・歯科医院を取り巻く状況

  ・実際の感染事例への対応をチェックリストに活かしています

  • チェックリストの目的

  ・備考

  • 概要

  ・※なぜ疫学調査への協力が必要なのか?

  • 準備期

  ・マネジメント

    体調不良時の欠勤体制の構築

    地域のネットワークの構築

    適切な助言が得られる専門家の確保

  ・疫学調査への協力の準備

    スタッフ名簿の作成

    健康管理表(発熱サーベイランス)を用いた自己管理

    接触確認アプリ(COCOA)のダウンロード推奨

    患者連絡先の確認

    委託業者等の連絡先の確認

  ・感染対策

    標準予防策、飛沫・感染予防策の実施および感染対策の教育

    院外でのハイリスクな行動を回避する

    患者待合室が密にならないような配慮、介入

    患者に対する治療時以外のマスク着用の依頼(幼児等を除く)

    更衣室や食堂、休憩室等が密にならないような配慮、介入

  ・準備期のチェックリスト(pdf 表)

  • 感染事例発生期

  ・感染事例の把握と保健所の電話調査に対する準備《重要》

  ・マネジメント

    対策チームの立ち上げ

  ・疫学調査への協力

    保健所の電話調査への準備

    接触者のリストアップ

    濃厚接触者のリストアップ

    接触者へ連絡

    接触者の PCR 検査《重要》

     厚生労働省の通達

     「自分で判断」って、どうすればいいの?

  ・勤務調整

    地域ネットワークを活用した他院との連携

    館内の消毒

    院外への情報公開

  ・感染対策

    問題点の抽出

  ・感染事例発生期のチェックリスト(pdf 表)

  ・小括

  • 診療機能回復期

  ・マネジメント

   事例全体の振り返り

   再度患者を受け入れる体制の構築

   委託業者等との連携

  ・感染対策

   継続した教育・指導の実施

  ・診療機能回復期のチェックリスト(pdf 表)

  • まとめ
  • 用語の定義

  ・患者(確定例)

  ・無症状病原体保有者

  ・患者(確定例)の感染可能期間

  ・無症状病原体保有者の感染可能期間

  ・濃厚接触者

  ・就業制限

  ・自宅待機

   これまでの歯科医療機関における感染事例から分かること

  • 参考文献
  • 著作権について

  ・使用許諾申請について

  ・著作権の侵害を発見した方へのお願い

 

お断り

これまで本チェックリストについては CC BY NC ND (引用明記、非営利、改変禁止)という著作権の条件下での使用を許諾して参りましたが、引用を明記しない無断使用、事前連絡のない無断改変等の不正使用が複数件確認されました。

当ブログでは、最も多くの方にご覧いただいていた記事ではありますが、12月1日からやむを得ず限定公開とさせていただきます。

 

ご利用を希望される方は、下記のお問い合わせフォームや Facebook のメッセンジャー、電子メール masaomikono*gmail.com (* を @ に変更してください。)からご連絡ください。
パスワードをお知らせいたします。

なお、CC BY NC ND の範囲内でのご利用には料金はかかりません。どなたが何の目的で使用するのかを把握するための措置です。ご理解いただければ幸いです。

 

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チェックリストはこちらからどうぞ ↓

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*1:真の感染者数=検査陽性者数ー偽陽性者数+偽陰性者数。真の感染者数は神のみぞ知るものですが、理論上、真の感染者数>検査陽性者数です(文献15を参照のこと)。日本の対策はそれを踏まえたものになっていますのでご安心を。

*2:1 日の総検査数に対する陽性者数の割合を示したもの。検査能力や事前確率によって大きく左右されるが、基本的には検査陽性率は市中の流行状況を反映していると考えられている。
検査能力が低かった 3〜4 月では 30% を超えることもあり、補足できていない感染者が一定数おり、実際の感染者数はさらに多かったと考えられる。最近は 3% 程度を推移していたが5% 程に上昇している。

吉村洋文大阪府知事へのアンサーソング

1月19日、吉村洋文大阪府知事が、大阪府内にある歯科医院でクラスターが発生していないことから、歯科医院には感染拡大を防ぐための「何かある」とツイッターに投稿した、と報じられました。

吉村知事 歯科医院に「何かある」…府下5500の医院でクラスターゼロ(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

 

コロナウイルスは口の中、唾液に多く含まれている。なのでマスクが有効だし、飲食の場も指摘される。一方で利用者側がマスクができない環境に歯科医院がある。大阪には5500もの歯科医院があるが、クラスター発生はゼロ。感染対策の賜物と思うが、何かある。何か?専門家には、是非分析してもらいたい。

私自身は大した専門家じゃありませんが、一応感染制御学の博士号を持つ歯科医師です。

お呼びでないかもしれませんが、吉村知事の疑問に頑張って答えてみようと思います。

 

歯科医院で行っている感染対策とは

これまでのところ日本の歯科医院では、幸いにも患者さんを巻き込んだクラスター発生の報告はありません。

(歯科医療従事者が感染した事例や、従業員間で感染が広がりクラスターと認定された例はあります。)

「口を開けている人と接するのにどうして?」「どんな対策をしているの?」という疑問をお持ちになるのは、吉村知事だけではないと思います。

現在、日本の歯科医院では感染対策として「感染経路の遮断」「3密の回避、5つの場面の回避」「感染源の管理」を行っています。

順に紹介していきます。

 

① 感染経路の遮断

歯科医院のスタッフは、常に患者さんの唾液に触れる環境で働いています。

しかも、歯科用のドリルや注水器を使用するため、多量の飛沫が飛散します。

バイオエアロゾルが発生する状況(歯科領域) エアロゾルシリーズ② - 歯科医師・博士(感染制御学)

時には治療中、患者さんが咳き込んでしまうこともあります。

 

もし患者さんが新型コロナウイルスに感染していた場合、その飛沫を吸い込んだり、眼の粘膜に付着してしまうと感染してしまう恐れがあります(飛沫感染)

これを防ぐために、つまり”飛沫感染という感染経路を遮断”するために、歯科医院のスタッフはマスクゴーグル・フェイスシールドを装着しています。

患者さんにも治療直前までマスクを装着してもらい、治療終了後にはすぐにマスクを装着してもらうよう、お願いもしています。

 

また、治療中に出た飛沫は半径1〜2メートルの範囲に飛散し、周囲の環境を汚染してしまうことが分かっています。

バイオエアロゾルはどれくらいの範囲を汚染するのか エアロゾルシリーズ④ - 歯科医師・博士(感染制御学)

もし患者さんが新型コロナウイルスに感染していた場合、飛沫で汚染された環境表面を触り、その手で自分の目や口、鼻に触れてしまうと感染してしまう恐れがあります(接触感染)

これを防ぐために、つまり”接触感染という感染経路を遮断”するために、歯科医院では環境表面の消毒を行っています。

 

また、患者さんの口の中に手を入れて治療をしますので、手が唾液で汚染されないようにグローブを装着しますし、治療の前後には手洗い(手指衛生)を行います。一度患者さんに使用した医療器具は洗浄・滅菌などの再処理を行います。

 

 

② 3密の回避、5つの場面の回避

”3密”が何か、はもはや説明不要でしょう。

多くの歯科医院は予約制になっていますが、予約制であるために患者さんが待合室で長時間待つという状況が起こりにくく、もとから3密になりにくいという特徴があります。

換気はもちろんのこと、さらに診療の開始時間や終了時間をずらしたり、待合室の外で待機してもらうなど、時に患者さんの協力をいただきながら3密を回避するための対策を強化しています。

 

また、休憩室や更衣室で気が緩み、食事中のおしゃべりや食べ物の共有がクラスター発生に関係していることが分かっています(5つの場面)

歯科医院でも食事中はしゃべらないこと、距離をとること、食べ物は共有しないこと、歯磨きも離れて行うことなど、5つの場面を回避するための対策を強化しています。

感染リスクが高まる「5つの場面」|内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室

 

 

③ 感染源の管理

感染源の管理とは、分かりやすく言うと「歯科医院の中にウイルスを持ち込ませないために行う対応」のことです。

発熱や咳、倦怠感などの症状がある患者さんの診察を延期または時間を短縮したり、薬の処方にとどめるなど、患者さんの協力をいただきながら診療を制限、なるべく歯科医院の中にウイルスを持ち込ませないようにしています。

 

また、発熱がある、咳が出ているなど、体調の悪いスタッフは仕事を休むようにしています。

患者さんにとっては治療が長引くことになるわけですが、こちらも患者さんの協力をいただきながら、歯科医院の中にウイルスを持ち込まないように気を付けています。

 

 

③’ 感染源の管理 治療前のうがい

治療前のうがいも「感染源の管理」に該当します。

日本歯科医師会のガイドラインでは次のように記載されています。

治療前の感染予防として、まずは、患者に治療開始前に消毒薬で含嗽(うがい)してもらい、口腔内の微生物数レベルを下げることも飛沫感染対策として、診療室の環境を清潔に保つための簡便な手段とされている。
また、治療後における含嗽も感染予防に有効と思われる。

消毒薬としては、ポビドンヨード、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ ム、クロルヘキシジンなどが挙げられる。

吉村知事が以前より注目しておられるポビドンヨードも有効と思われる、と記載されていますし、アメリカ*やオーストラリア**でも、同様にポビドンヨードなどによる治療前のうがいが推奨されています。

Guidance for Dental Settings | CDC

** https://www.ada.org.au/getdoc/5f6196b5-cdbd-4bec-bc38-0e9d6b0ea5ca/Infection-Control.aspx

 

しかし最近では、本当に新型コロナウイルスの感染リスクを下げるのか科学的根拠が少ないため、積極的な推奨はしない論文*や指針**も出てきました。

Antiviral Activity of Reagents in Mouth Rinses against SARS-CoV-2

** Implications of COVID-19 for the safe management of general dental practice - a practical guide | FGDP

1月15日に日本口腔外科学会から発表された指針でも、治療前のうがいの有効性に関する科学的根拠が少なく、推奨度は「弱く推奨する」と記載されました。

新型コロナウイルス感染症流行下における口腔外科手術に関する指針|会員・医療関係者|日本口腔外科学会

感染蔓延期など無症状の COVID-19 患者が来院する可能性が高まっている状況での口腔外科手術に際し、ポビドンヨードに過敏症など安全性の面で問題がない患者に洗口させることは、手術中のエアロゾル中の SARS-CoV-2の一過性の減量を通じて、術者および介助者が感染するリスクの低減を期待できる。

なお、ポビドンヨードのアレルギーは 0.4% の人に見られたという報告があり、決して少なくないので注意が必要です。

Allergic contact dermatitis from povidone-iodine: a re-evaluation study

  

ここで大切なことは、処置前のうがいは歯科医院のスタッフには利益があるかもしれませんが、実は患者さんには利益がなく、むしろアレルギーのリスクがある、という点です。

もちろん歯科医院のスタッフが感染しにくい状況は患者さんにとっても大切なことです。

しかし患者さんに治療前のうがいをお願いするのであれば、本当に感染リスクを下げるのか、そしてそれは患者さんをアレルギーのリスクにさらすほど価値があるのか、という科学的根拠を明らかにするのが先ではないのか、と個人的には考えています。

 

なおポビドンヨードには、長期間使用したとき甲状腺機能に異常が出たという報告があります。家で毎日使う時には十分注意してください。

Povidone iodine-induced overt hypothyroidism in a patient with prolonged habitual gargling: urinary excretion of iodine after gargling in normal subjects

 

 

まとめ

このように、歯科医院では「感染経路の遮断」「3密回避」「感染源の管理」の考えのもと、マスクやゴーグル・フェイスシールド、グローブを着用し、環境表面の消毒と手洗い、換気、3密回避、体調不良の患者さんの診療制限、体調不良のスタッフを休ませる、といった感染対策を、時に患者さんの協力を得ながら実行しています。

これが歯科医院でクラスターが報告されていない理由です。

 

ゴーグル・フェイスシールドとグローブの着用は医療機関に特有のものですが、それ以外はどうでしょうか。

 

マスクの着用、環境表面の消毒(=よく触るところの消毒)、手洗い、換気、3密回避、5つの場面回避、体調不良なら休む...。

 

どれも特別なことではありません。

すでに政府や専門家会議が「有効だ」と国民に向けて発信している内容そのものです。

特別なことをしなくても、感染を抑えることはできるのです。 

 

以上が、吉村知事の「歯科医院には何かある」に対するアンサーです。

 

あとはこれをいかに忠実に、愚直に継続できるか、だけです。

「何か」に縋りたい気持ちはとても良く分かりますが、本当にそれだけなんです。

 

 

CDC 歯科向けガイドライン 更新版(限定公開)

CDC のガイドラインが 12 月 4 日に更新されました。

www.cdc.gov

順次紹介いたします。

 

目次

  

キーポイント

  • 歯科医療の現場には、感染管理上の特別な配慮を必要とする特徴があることを認識すること
  • 歯科治療の種類に優先順位をつけ、治療の遅れによる患者への害と、SARS-CoV-2 感染の可能性にさらされることによるスタッフや患者への害の両方を最小限に抑えるような方法で治療を提供すること
  • スタッフと患者の両方に、体調が悪い時は自宅で過ごす必要性を積極的に伝えること
  • COVID-19 の症状を持つ患者が診療所に入ってきた場合に取るべき手順を知ること

 

Background

この暫定ガイダンスは、COVID-19に関して現在入手可能な情報と米国の現状に基づいて更新されている。

歯科医療機関が地域や州当局のガイダンスに従って選択的歯科処置を再開するにあたり、COVID-19 パンデミックへの継続的な対応の一環として、実施すべき予防策がある。

今回更新したガイダンスの推奨事項のほとんどはは新しいものではなく(上記の変更点の概要に記載されているものを除く)、以下のセクションに再構成している。

 

1. パンデミック時において、ルーチンの歯科医療を提供するために推奨されている感染予防策の方法

2. SARS-CoV-2 感染が疑われる、または確定した患者に歯科医療を提供する際に推奨される感染予防策の方法

 

歯科医療の現場では、患者と歯科医療従事者へのリスクを最小限に抑えつつ、必要な歯科医療を提供する必要性のバランスをとる必要がある。

CDC は、COVID-19 パンデミック時における非緊急的な医療行為に関する、医療従事者と医療システムのためのフレームワークを作成した。

フレームワーク ↓

www.cdc.gov

 

このような状況下では、歯科医療従事者は、地域の感染状況や影響を考慮した上で、それぞれの地域特有の推奨事項について、州歯科医師会や州保健局に相談する必要がある。

 

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必要不可欠な歯科治療とは何か?

とても面白い論文を読みましたので、共有したいと思います。
 
 
(※ essential を「必要不可欠」と訳しています)
 

やっぱり定義が大事!

「歯科治療は必要不可欠なのか?」「歯科治療は不要不急なのか?」といった議論が、特にパンデミック初期にありましたね。
まだウイルスの性質が分かっておらず(今もまだ分かっていないことも多いですけど)
、CDC や ADA が救急処置以外の歯科治療を停止するよう勧告を出した時期でした。
また、一部には「空気感染ガー」と混乱していた方もいらっしゃいましたね。
 
当時の勧告自体は、特に PPE 等の資材の不足もあり、公衆衛生の観点からは容認されるものであったと、個人的には考えています。
 
さて、筆者らは、「歯科治療は必要不可欠なのか?」「歯科治療は不要不急なのか?」という議論が紛糾した原因は、「何をもって必要不可欠なのか」というコンセンサスの欠如があったこと、また CDC やADA が暫定ガイダンスの中で用いた ”essential”, あるいは ”emergency”, ”urgent” な歯科治療とは何のことなのか、という用語の定義が定まっていなかったことだと主張しています。
 
その上で筆者らは、すべての歯科医療を「full spectrum of oral healthcare」と定義し、図のように、円の外側から順に「Advanced oral healthcare」>「essential」>「basic」>「urgent」と分類し、国や地域の医療リソースによってその時々に何を取捨選択するか、国や地域ごとに決定するよう勧めています。
 

f:id:masaomikono:20201219134557p:plain

 
また、例えば何を"essential"とするかについても、国や地域の医療リソースや文化経済、人々の価値観などを反映させるべきだと主張しています。
 
今後こうした議論をする上で、非常に参考になる論文だと思います。
 
ちなみにこの論文の筆頭著者はアメリカ人であり、アメリカの医療体制の脆弱さを嘆いているようにも読めます。
医療保険でカバーされる範囲が狭く、無保険の人も多いことによる弊害が今回の COVID-19 対策で顕在化しましたからね。
その点は日本と状況が異なりますので、そのあたりを差し引いて論文を読む必要がありました。
 
 

ロイターの誤報と ADA のドタバタ

 
さて、論文のとある一節に、WHOが 8 月に出した声明と、それに対する各国の利害関係者(主に ADA)の反応を取り上げています。
 
ここの部分が最高に面白かったです。
 
CDC を含む多くの国の当局が2020 年 2 月以降、歯科医療と COVID-19 に関するガイダンス文書を発行したが、WHO は 2020 年 8 月に「COVID-19 時代における「必要不可欠な歯科医療」の提供に関する暫定ガイダンス」を発表した
(中略)

WHO の暫定ガイダンスの発表後、主要な歯科関係者団体と WHO との間では、国際的な大手通信社(ロイター)の誤報や、予防歯科を「必要不可欠ではない」としたことが発端となって騒動が起きた。

ロイターの最初の報道では、WHO は COVID-19 時代において、「日常的」で、「必要不可欠でない」歯科医療を見送ることを推奨している、と述べられていた。

その後この報道は他のメディアや利害関係者によって取り上げられたが、彼らは明らかに WHO の文書の全文を知らなかったようである。


ADA をはじめとする歯科医療機関は、すべての歯科医療の提供はあらゆる状況下で必要不可欠かつ安全であり、歯科医療を制限することは深刻な健康問題と医療システム問題の結果につながると述べ、WHO の勧告に反論する声明を速やかに発表した。

しかし、WHO の勧告は、現在の疫学や感染リスク、医療システムに対する感染状況の影響を反映した国または地域の規制のもと、という条件に加え、その国や地域内での感染拡大が大きい状況でのみ、歯科医療を緊急または救急の治療に限定するよう助言している。

問題となった文章では、「WHO は、通常の口腔内の健康診断、歯のクリーニング、予防ケアを含む、日常的な『必要不可欠ではない』歯科医療を、COVID-19 の感染率がコミュニティ感染からクラスター感染へと十分に減少するまで、あるいは国、準国家、地域レベルでの公式勧告に従って、遅らせるよう勧告する」と書かれている。

このような状況下でのみ、日常診療を延期すべきであり、この勧告は、2020 年 3 月の CDC の勧告を含む、いくつかの国の勧告と大きく一致している。

さらに、WHO の暫定ガイダンスは、COVID-19 パンデミック時における効果的な予防ケアが重要であると明らかに強調しているが、「必要不可欠な歯科医療」の確固たる定義を提示してなかった。

残念ながら、1 日後にロイターが発表した最初のメディアリリースの修正は、最初のセンセーショナルな見出しが生み出したような国際的な注目を集めることはなかった。

その間に、WHO Interim Guidance Noteの上記の文中の "non-essential" という言葉は、実際には "non-urgent" に変更されていた。

 

ロイターの報道は誤報である、としています。
実は私もブログで「大切な前提が抜けている、ただ単にクリックさせるための卑怯な見出しだ」指摘していたのですが、その後修正されていたのは知りませんでした。
 

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自画自賛(笑)

www.masaomikono.com

 

 

また筆者らは彼らは明らかに WHO の文書の全文を知らなかったようである。」としていますが、私もそう考えていましたし、今でもその通りだと思います。(自画自賛2回目)
 

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しかし筆者らが主張している通り、WHOが「essentail dentistry」とは何を指すのか、という定義をしていなかったことが問題を大きくしたのは確かだと思います。
(従って、私が WHO の肩を持っているわけではありません。)
 
まずはここを日本国内でしっかりと定義して、その共通認識の元、公衆衛生に資する歯科医療提供体制のあり方を模索する議論が、今から求められているのではないでしょうか?
 
諸外国がどうとかは関係ありません。
既存の日本の医療リソースを上手に活用して、パンデミック等が生じても日本流の「必要不可欠な歯科医療」が広く国民に平等に施すことができる体制ができることを願っています。
 

 

著作権について

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歯科医院での定期 PCR 検査 費用対効果はいかに?

昨今、歯科医院のスタッフ向けに PCR 検査を行う業者が増えているようです。

賢明な皆さんはよもや導入していることはないと思いますが、念のため注意喚起をしておこうと思います。

 

実際の検査業者のプレスリリースが発表されていました。

じっくりと見てみましょう。

 

検査業者のプレスリリースと問題点

むしろ患者さんは不安になるのでは? 

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唾液を用いた PCR 検査のようです。

「院内掲示できる検査証明書」とありますね。

陰性証明とは書いてありませんが、PCR 検査では「陰性証明」など出来ないことを知っている賢明な患者さんも多いです。

一体何を証明する証明書なのか分かりませんが、「え!? この歯科医院は何のために PCR 検査しているの!?」と、むしろ不安になる患者さんもいらっしゃるかもしれません。

(証明書に関する詳細は後ほど出てきます。)

 

定期検査?

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2 回以上の検査を実施している歯科医院には、PCR の定期検査を実施している旨を証明・掲示できる額縁入りの証書を発行」とありますね。

「PCR の定期検査」なんて初めて聞いたのですが、どのくらいの頻度で検査をすることを定期検査と想定しているのでしょうか?

 

検査して真陰性だったとしても、検査直後から感染する可能性はありますから、陰性を証明するには検査頻度を極限まで短くするしかありません(下図参照)。

 

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仮に極限まで短くしたとして(他にも問題はありますが)、費用に見合うだけの効果が得られるでしょうか?

 

この喩えは適切でないことは承知した上で申し上げますが、この定期検査というやり方は「月に 1 回の性病検査をしているから安心して来てください!」と言っている風◯店と同じです。

当の風◯店側も、これで安心できる訳ではないと知っていますよね。

 

 

「PCR の定期検査で、スタッフが安心して働ける環境づくりができる」とありますね。

PCR 検査で安心して働ける環境?

逆に不安ですね。

 

安心は油断を生むものです。

そして「感染対策における安心感」とは厄介なもので、本当に必要な感染対策が疎かになってしまう危険性を孕んでいます。

本当に必要なものは「科学的に確かな感染対策」から得られる「安全」です。

 

PCR 検査で安心して働ける環境ではなく、確かな感染対策で安全な職場、を目指しましょう。

スタッフもそれを望んでいるのではないですか?

安全があって初めて安心できるでしょう(もちろんそれでも安心せず油断せず、たんたんと感染対策を遂行する必要があります) 。

 

特異度 100% !? 

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「TMA 法の最大の特長は、検査の特異度(陰性と正しく判定される確率)100% で、偽陽性がないことです。検査の結果「確実に陰性」という安心感を、スタッフにも患者さんにも伝えることができます」とあります。

 

感度、特異度などの検査医学についてはこちらをご参照ください ↓

 

TMA 法とは Transcription Mediated Amplification という遺伝子増幅法です。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

TMA 法の特異度が本当に 100% なのか、PubMed で「( ("transcription mediated amplification") OR (TMA) ) AND ( (SARS-CoV-2) OR (COVID-19) )」という検索式を用いて論文を検索しました。

 

17 本の論文が該当し、そのうち5 本の論文が TMA 法について言及していました。

さらにそのうち 3 本が PCR 法 と TMA 法における検査感度・特異度を評価していました。

今回はこれら 3 本の論文の詳細について検討しました。

 

RT-PCR との比較では、陰性一致率は 98.7% であり、偽陽性がありうる

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

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RT-PCR で陰性と診断された 76 例のうち 1 例が TMA 法で陽性と判定されている。

RT-PCR の結果を信頼するのであれば、TMA 法は偽陽性が 1 例出たことになり、特異度が 100% であるという主張が揺らぐことになる。

陰性一致率は 98.7% (95% CI : 92.9-99.8%) とされている。

 

検査業者が使用しているものと同じ、ホロジック社製の 2 つの PCR 法と TMA 法の一致度

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

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Aptima (TMA 法) と Panther Fusion (PCR 法) とでは陰性一致率は 100% (95% CI : 100-100%)であった(黄色)。

Aptima (TMA 法) と MagNA/LC480 (PCR 法) とでは陰性一致率は 96.9% (95% CI : 94.5-99.3%) であった(みどり色)。

Panther Fusion (PCR 法) と MagNA/LC480 (PCR 法) とでは陰性一致率は 100% (95% CI : 100-100%)であった(青色)。

MagNA/LC480 で陰性と判定された 130 例のうち、Aptima では 4 例が陽性と判定されている。

MagNA/LC480 を信頼するのであれば、Aptima は偽陽性がありうるということであり、特異度が 100% であるという主張は揺らぐことになる。

しかも本実験では、同じホロジック社製の製品を使用している。この結果を信頼するのであれば、製品ごとのばらつきは少なく、優秀な製品群であると考えられるが、一方で検査精度には限界があるということの証明でもある。少なくとも「特異度 100%」の根拠とはなりえない。

 

特異度100%、感度が PCR よりも良い、とする根拠としている論文?

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

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TMA では Taqpath RT-PCR や CDC RT-PCR では検出できないような少ないウイルス量 (copies/mL) でもウイルスを検出していることが分かる。

これが「感度が高い」とする根拠なのだろう。

ここで注目したいのは、TMA 法であっても 5.5 × 10e0~1 copies/mL のウイルス量では検出できておらず、5.5 × 10e2 copies/mL のウイルス量でも検出できない可能性があるということである。すなわち検出限界があるのである。

 

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RT-PCR では 4 例が陽性/陰性の判定が出来ず、TMA ではその 4 例を判定した (2 例ずつ)としている。

また、その 4 例を除くと、陰性一致率は 100% であったとのことである。

 

感度と特異度の関係

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一般的に疾患なし群と疾患あり群には境界領域があり、 どこからを疾患ありとするか、とするカットオフ値を決めた場合、必ず偽陰性と偽陽性が生じる。

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偽陽性がなくなるようにカットオフ値を動かすと、上図のように偽陽性はなくなる(=特異度が上がる)が、かわりに偽陰性が増える(=感度が下がる)ことになる。

このように感度と特異度はトレードオフの関係にあり、一般的な検査では高感度と高特異度は両立しない。

実際にカットオフ値を設定するときは、ROC 曲線というものを描き、なるべく感度と特異度が良いものを採用することになる。

 

小括

上述したように、検査には限界があります。

また実際の検査では、検体の採取ミスやコンタミネーション、検体の取り違えなど、業者側のミスではなく採取者側のミスも含めてエラーが起こりえます。

また事前確率の違いによって陽性的中率、陰性的中率は変動します。

 

半年間に 2 回の定期検査?

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「定期検査証明書の発行」として「検査キットは1名1回分12,000円(税別)で、半年間に2回の定期検査をお願いします。定期検査を実施した歯科医院には、院内掲示できる額縁入りの証明書を発行します。」とあります。

 

ここは実に不思議な感じがするのですが、額縁入りの証明書が保証するのは「定期検査を実施している」ことであり、陰性であることを保証するものではありません。

本当に必要なのは、「感染していない証明」なのではないでしょうか?(無理ですけど)

 

「定期検査を実施している」ことに何の価値があるのでしょう?

 

だいたい、「定期検査をしているから安心」というのは「定期的に健康診断を受けているから健康」みたいな言い方に過ぎません。

 

ここでもう一度プレスリリースの冒頭に戻ると、このように書いてあります。

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院内掲示できる検査証明書も発行するので、患者さんも安心です。」

 

「定期検査証明書」「検査証明書」は別物なのでしょうか?

うーん、分かりません。

仮に「定期検査証明書」が「定期的に検査をしている証明書」であり、「検査証明書」が「検査の結果を書いたもの」であったとすると、以下のような扱いになります。

 

「これが定期検査証明書です」→ だから何?今は感染しているかもしれないでしょ?*

「これが検査証明書です」→ だから何?今は感染しているかもしれないでしょ?*

* 個人の感想です

 

スタッフも患者さんも、誰も安心できませんね。

むしろ「この歯科医院大丈夫か !?」となるのではないでしょうか。

 

費用対効果は?

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費用対効果を考えてみましょう。

 

まずは費用から考えます。

1名1回分 が 12,000円(税別)です。

例えばスタッフが 5 名いる歯科医院で、陰性証明としたいのなら毎日検査をします。

1 日あたり 60,000円(税別)、月に 20 日診療したとして 1 ヶ月あたり 1,200,000円(税別)かかります。

最近はもっと安いところもありますけどね。

 

一方で得られる効果を考えます。

......安心?信頼?

...実は、ここだけの話、個人的には信頼が得られると思っています。ただし符号は逆、マイナスです。

みなさんはどうお感じになりますか?

ここは個々人の価値観でご判断ください。

 

あくまで私の価値観では、費用対効果はマイナスになり、投資効果がないどころか損をする、という結果になりました。

これ以上安くても効果がマイナスである以上、費用対効果はマイナスのままです(笑)

 

この検査に投資をするくらいなら、私の個別webセミナーを聞いた方がずっと費用対効果が良いと思います(急に宣伝)。

1 日分の検査費用で web セミナーを 〜2 時間、1 ヶ月分なら私を 10 回直接呼び付けることができます。

同じ証明書なら、私のセミナーを受けた証明書の方が...(効果なし??)

 

まぁそれはともかく、この定期 PCR 検査に投資をするくらいなら、頑張っているスタッフの皆さんに還元していただければと思います。

 

まとめ

PCR 検査をいくら行っても、得られるものは安心ではありません。

費用対効果も悪く、投資する価値を見出すことはできません(少なくとも私には)。

 

繰り返しになりますが、本当に必要なものは「安心」ではなく「安全」です。

一時的にかりそめの安心を手に入れても、最後には信頼を失うだけです。

そして「安全」には正しい知識と正しい感染対策が必要です。

同じお金を使うのなら、安全を得るための投資をしましょう。

安全こそが、スタッフや患者さんの安心に繋がると思います。

 

 

 

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webセミナーの実例①

先日、とある歯科医院さんから
「自分たちで考えてきた感染対策をチェックしてほしい」
「我流でやってきたので間違いがないか不安だ」
というご依頼をいただき、本日 web セミナーを行いました。
 
実際こうしたお悩みを伺うことは多く、ここまで頑張ってきたけど、これをこのまま続けていいものか、特に感染状況が逼迫しつつある昨今、不安な気持ちでおられる方は少なくないようです。
 
 
さて、「歯科医院における感染対策」には大事なポイントがあります。
 
それは、歯科医院ごとに設備や設計、マンパワーに違いがあるので、その歯科医院ごとに最適解の感染対策が違う、という点です。
 
ここで大事なのは、最高の感染対策、ではなく、目指すべきはその歯科医院に最も適している感染対策、です。
 
実は最高を求めるのは簡単です。お金と時間と手間をかければいいだけです。
しかしお金と時間と手間がかかり過ぎて、結局継続できなくなります。
これは感染対策だけでなく、何事にも共通する真理ですね。
 
一方で最適解は、お金があまりかからず少なくとも無駄にはせず←重要)、その歯科医院で継続しやすい感染対策です。
注:さすがにbeforeコロナよりは手間が増えます。仮に完璧だったとしても、換気が追加されるからです。ただ、beforeの感染対策に無駄があれば手間は減るかもしれません(稀)。
 
「最適解の感染対策」はとても魅力的なのですが、何が最適か、を探すためには、正しい知識が必要です。
何をどこまでやるのか、何ができるのか、何を削るのか、は正しい知識、しかもリスクとベネフィットを天秤にかけられるだけの知識が必要です。
最高を目指すよりお金はかからないのですが、そこに到達するには頭を使わなければならないのでちょっと難しいです。
一度到達してしまえば、それをただ継続させるだけで済みますが、まあ何はともあれ、まずは正しい知識が必要になります。
 
そこで今回は、まずはwebセミナーで「感染症とは何か?」「感染対策とは何か?」という概論からお話しさせていただくことになりました。
 
「え?いくら何でも基礎からやるのは時間がかかるのでは?」とお思いになるかと思いますが、何事も基礎は大事です。
また、多くの歯科医院で共通することだと思いますが、専門教育を受けていない歯科助手の方が活躍されていると思います。
彼ら彼女らが専門教育をうけていないことは仕方ないのですが、ここで重要なのは、
その歯科医院の感染対策のレベルは、その歯科医院内で最も感染対策が出来てない人のレベルに落ち着いてしまう、という点です。
 

一人だけ突出しても全体のレベルは上がりません。
全体の底上げこそ、重要なのです。 
 
 
 
さて、実際webセミナーでお話しした内容はこちらには記載できませんが、1 時間半ほどのセミナーで以下ような感想をいただきました。
 
「分かりやすくて良かった」
「明日からすぐに使えるものがあった」
「間違ってたこともあったね」
「ちょっと楽になりそう!」
 
こちらの歯科医院はしばらくwebセミナー、web会議を通して改善を図っていくことになりました。
一緒に無理のない、持続可能な感染対策を考えられるのが楽しみです。
 
お悩みの歯科医院さん、いらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。わりと暇してます。
長い戦いになりそうですから、根性で続ける対策ではなく、なるべく楽に続けられる対策を一緒に考えましょう。

 

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訪問指導の実例①

本日、とある歯科医院さんから「感染対策を強化したい」「感染対策を見直したい」というご依頼をいただき、訪問させてもらいました。
 
訪問時には診療の様子を見学させてもらい、改善すべき点を抽出していきます。
 
「改善すべき点」は2種類あって、
「これでは対策として十分ではないので強化しましょう」というパターンと、
(意味がないわけではないけど)「かけてるコスト(労力や費用、時間)に比べて得るものが少ないから減らしましょう」というパターンがあります。
 
今回訪れた歯科医院は強化すべきところは少なく、むしろ減らせるところが多かったですね。
 
このような”頑張っている”歯科医院の場合、「ここはもう少し手を抜いていいよ(意訳)」とお伝えするんですが、すると当然、「本当に大丈夫ですか?」という反応があります(慣れてます)。
 
特に今回のコロナパンデミックに際しては、未知なことが多かった時期に導入した感染対策が更新されず、大きな負担がかかり続けていることがよくあります。
 
正直なところ「これは辞めても本当に大丈夫だ」と言い切れないことが多いのは事実ですが、
「本当に効果的なところにコストと手間をかけよう」
「(根性ではなく)無理なく続けられる方法にしましょう」
という提案をさせてもらいました。
 
(具体的には「環境清拭範囲の縮小」「PPEが不要な場面では使わない」という 2 点でした。
詳細については歯科医院ごとに設備や人員に大きな差があり、なかなか一般化できないのでこれくらいに留めます。)
 
通常、まずはセミナー形式でお話をさせてもらい、質問に答え、その後はどのように改善していくか、ともに知恵を出し合いながらディスカッションをしていきます。
 
このディスカッションが大切で、その歯科医院の設備や人員に合わせた改善でないと、結局長続きしないため、無理なく続けられそうなプランを提案させてもらうようにしています。
 
もちろん「科学的な見地から、この一線は譲れない」というところはあります。
それは守っていただかないと、働いている本人はもちろん、患者さんにも不利益になってしまいますからね。
 
そのようにして、院長やスタッフが能動的に関わる中で作り出した改善策は、「自分たちも関わって考えたんだから」という気持ちが後押しになり定着しやすいと思っています。
 
加えて、患者さんからどう見えるのか、も考える必要があります。
医学的・科学的ではないところですが、それでも。
せっかくコストをかけて対策するのですから、患者さんにアピールしたいですよね。
このあたりの”魅せ方”も、一緒に考えていきます。
 
今回の訪問では、時間の都合上、細かいところを詰めていくのは今後の課題となりましたが、最後に「これでちょっと楽になりそうだね!」と言っていただけた時には、「ああ、これまで大変だったんだな」と思う反面、訪問させてもらって本当に良かったな、と思うことができました。
 
 
帰る前に私が着替えていると数人のスタッフの方がおいでになり、「あのー、すいません、個人的な質問なんですけど...」と声をかけてきてくれました。
これは迷惑なことどころかとても嬉しいことで、初回の訪問である程度の信頼感を獲得できたかな、と思わせてくれました(勘違いじゃないことを祈ります)。
 
 
お悩みの歯科医院さん、いらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。わりと暇してます。
こちらに書いたのは一例ですが、それぞれの歯科医院ごとに抱えている問題は異なります。
長い戦いになりそうですから、根性で続ける対策ではなく、なるべく楽に続けられる対策を一緒に考えましょう。

 

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3日連続で

ここ3日、「通院していた患者さんからコロナに感染していた、という連絡がありました。どうしたらいいでしょう?」というご相談を連日いただいています。

 

ここまで短期間に、連続してご相談をいただいた経験はなく、いよいよ増えているな、ということを嫌でも実感しています。

 

いざという時はさすがにテンパってしまうそうで、そのストレスは大きいです。

 

何かあればすぐにご連絡ください。サポートします。

 

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